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神谷塾的勉強と受験と子どもの教育
札幌で学習塾を営む神谷が、日々生徒と接しながら考えたことをつづります。  おすすめの勉強法や高校・大学受験、教育全般に関する話題を書いていきます。  ★コメントには必ずお返事します★

プロフィール

神谷英樹

Author:神谷英樹
1962年、愛知県知多郡に生まれる。
1981年、愛知県立半田高校を卒業。
1983年、予定外の2年の浪人生活を終えて北海道大学に入学。
1988年、北海道大学理学部地球物理学科を卒業、地質コンサルタント会社に入社。浦和市(当時)にあった研究所に勤務。
1995年、どうしても北海道に戻りたくなってその会社を退職。札幌市内の学習塾で講師の職を得る。
2001年、独立開業。屋号を神谷塾とする。
家族は妻と大型犬1頭。息子2人は東京在住。趣味は物理と化学と野球とギターとベース。



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洋楽のすすめ(23) THE PLATTERS :SMOKE GETS IN YOUR EYES

(2018年9月18日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)



演奏の模様はたとえばこちらに。

プラターズを知らなくても曲名を知らなくても、この佳品を耳にしたことはあるだろう。邦題「煙が目にしみる」は1933年、アメリカの作曲家J. D. カーンによりミュージカルのために書かれ(作詞はO. ハルバック)、46年にナット=キング=コールが、58年にはプラターズがカヴァーしてヒット。ジャズのスタンダードでもある。

プラターズは1953年結成のアメリカのコーラスグループ。55年に「オンリー・ユー」(これも皆知っているだろう)が大ヒットした。幾度もメンバーチェンジと分裂を繰り返したが現在も活動中であるようだ。「オンリー・ユー」や「煙が目にしみる」のころのメインヴォーカルはトニー=ウィリアムズという男性(写真では後列左側、92年死去)。

They asked me how I knew my true love was true
Oh, I of course replied something here inside cannot be denied
   皆が訊いた 僕の恋が本物だと どうしてわかるんだって
   もちろんこう答えた この心の内にあるものは誰にも否定できないよ

They said someday you'll find all who love are blind
Oh, when your heart's on fire
you must realize smoke gets in your eyes
   皆が言った いつかわかるだろう 恋するやつは皆盲目だと
   心が燃え上がっていると 煙で目が見えなくなるのさ 理解しなよ

So I chaffed them and I gaily laughed
to think they could doubt my love
Yet today my love has flown away
I am without my love
   だから皆をからかい 陽気に笑い飛ばしてやった
   僕の恋を疑うなんてと
   だが今日 僕の恋は飛び去ってしまった
   僕は恋を失くした

Now laughing friends deride tears I can not hide
Oh, so I smile and say
when a lovely flame dies, smoke gets in your eyes
   皆が笑って馬鹿にする 僕が涙を隠せずにいるのを
   それで僕は 微笑んでこう言う
   美しい炎が消えるときは 煙が目にしみるんだよ

to think は不定詞で前の行の laughed の理由を示すのだと思われる。
  「彼らが僕の恋心を疑っているだろうと思って」笑い飛ばした。
yet は接続詞で「けれども、それにもかかわらず」。

ところで、smoke gets in your eyes が二通りの意味で用いられているのがわかるだろうか。最初は「心が燃え上がるときの煙で目が曇り、現実が見えなくなっているぞ」と仲間に冷やかされているのだが、二度目はそのフレーズをそのまま使い「炎が消えるときの煙が目にしみて涙が出るんだよ」と返しているのである。歌の主人公は辛いときにも機知とユーモアを忘れない。やるではないか。


洋楽のすすめ(22) SIMON & GARFUNKEL :FOR EMILY, WHENEVER I MAY FIND HER ①

(2018年6月21日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)



演奏の模様はたとえばこちらに。

邦題「エミリー・エミリー」(原題の訳は「エミリーのために 彼女を見つけるといつも」)は1966年の作品。作詞作曲はポール=サイモン。ポールの12弦ギターでの伴奏にアート=ガーファンクルのヴォーカルという、シンプルだがしみじみと美しい小品。

What a dream I had
Pressed in organdy
Clothed in crinoline of smoky Burgundy, softer than the rain 
   なんて不思議な夢だったんだろう
   君は 体にぴったりのオーガンディーに包まれ
   雨よりも柔らかい くすんだワイン色の膨らんだスカートをつけていた

I wandered empty streets down, passed the shop displays
I heard cathedral bells tripping down the alleyways as I walked on ③④
   僕は人けのない通りをさまよい ショーウィンドウの前を通り過ぎ
   大聖堂の鐘の音が 裏通りにまで染み渡るのを聞きながら 歩き続けた

And when you ran to me, your cheeks flushed with the night
We walked on frosted fields of juniper and lamplight
I held your hand
   すると君が駆け寄ってきた その頬は夜の冷気に赤らんでいた
   僕らはネズの木や街灯に彩られた凍てつく雪原を歩いていった
   君の手を握りしめて…

And when I awoke and felt you warm and near
I kissed your honey hair with my grateful tears
Oh, I love you, girl
Oh, I love you
   そこで目が覚め 傍らに君のぬくもりを感じ
   蜜のように美しい君の髪に感謝の口づけを捧げた
   ああ 愛してるよ、君
   愛してる

(武内邦愛氏の対訳をほぼそのままいただきました)

whenever S may ~ で「Sがいつ~しても」。
organdy は夏の婦人服などに用いられる薄手の織物。 crinoline は骨組みを入れて膨らませたスカート。 smoky Burgundy は色の名。
hear O ~ing で「Oが~しているのが聞こえる」。
as は接続詞で「…すると同時に」「…しながら」。



洋楽のすすめ(21) BEN E. KING:STAND BY ME

(2018年5月28日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)



ベン=E=キング(1933-2015)はアメリカのソウル歌手。今回の曲「スタンド=バイ=ミー」(1961)のヒットにより知られている。本作はアメリカの聖職者兼ゴスペル作曲家C. A. Tindley により書かれた黒人霊歌 “Stand By Me ”(1905)に着想を得て書かれたもので、作詞・作曲はキングを含む3人。

キングの「スタンド=バイ=ミー」は発表当時のほか1986年に同名の映画の主題歌としてもリバイバルヒットした。イントロにもなっている次のベースラインが印象的である。

Standbymeベース_2

なお、最近ではイギリスのヘンリー王子とM.マークルさんの結婚式でゴスペル合唱団が歌ったのが話題となった。

When the night has come and the land is dark
and the moon is the only light we see
No, I won't be afraid, I won't be afraid
Just as long as you stand, stand by me

So darling, darling, stand by me
Oh, stand by me, stand by me, stand by me


   夜が来て 世界が暗闇となり 目に見えるのは月だけだとしても
   そうとも 恐れることはない 君がそばにいてくれる限り
   だから ダーリン そばにいておくれ

If the sky that we look upon should tumble and fall 
and the mountains should crumble to the sea
I won't cry, I won't cry
No, I won't shed a tear
 
Just as long as you stand, stand by me
So darling, darling, stand by me
Oh, stand by me, stand by me, stand by me


   万一 見上げる空が崩れ落ち 山々が砕けて海に沈むとしても
   叫んだりはしない 涙を流したりはしない 君がそばにいてくれる限り
   だから ダーリン そばにいておくれ

Whenever you're in trouble, won't you stand by me
Stand by me, stand by me, stand by me


   君に何か起きたらいつでも 僕のそばにおいで
   そばにいておくれ

 as[so] long as A~で「Aが~する限り」。
 if A should~で「もし万一Aが~なら」。(ここでは「~でも」)
 tearは可算名詞で通常は複数形tears。shed tearsで「涙を流す」。

名曲はカバーが多い。本作ではジョン=レノン(1975)とモーリス=ホワイト(1985)のものが最もよく知られているであろう。レノン版はロック調である。いっぽうホワイト版はソウル風で、歌詞が増量されている。




洋楽のすすめ(20) THE BEE GEES:MELODY FAIR

(2018年5月9日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)


ビージーズはイギリスの男性ヴォーカルグループ。デビューは1963年で、当時の後援者2人のイニシァルが共にB.G. だったのでグループ名が Bee Gees となったのだそうだ。最大5人編成の時期もあったが、紆余曲折があってバリー=ギブ、ロビン=ギブ、モーリス=ギブの3兄弟によるトリオ編成となった。現在はバリー以外は死去していて活動していない。

「メロディ=フェア」は'69年の作品。語句や構文は平易でテンポもスローだから、憶えやすく歌いやすい。日本では映画『小さな恋のメロディ』(原題Melody、'71年)の主題歌として非常に有名で、歌詞の意味を取ろうとするとどうしても映画のヒロイン(彼女の名もメロディという)がオーバーラップしてしまう。曲の発表のほうが先なのだが、まるで映画のために書き下ろしたような見事なはまり具合である。

ひとまず映画から離れると、「人生の現実というものがだんだんわかってきてしまって辛い気持ちを抱えている少女への励ましの歌」である。歌の少女を映画のヒロインに置き換えてもこれは成り立つ。

さて、fairには[公正な」「合理的な」「天気のよい」などなど多くの(概してポジティヴな)意味があるが、ここでの意味は原義でもある「美しい」とするのが自然だ。そして Melody Fair は「美しい(素敵な)メロディ」という意味になるであろう。形容詞が後置されているのがやや不思議だが、God Almighty(全能の神)のような慣用句もあるので、Melody Fairでひとまとまりの名と考えるのが良さそうだ。サビの部分でyour hairと韻を踏んでいるという見方もできる。

Who is the girl with the crying face
looking at millions of signs?
 
She knows that life is a running race
Her face shouldn't show any lines
 


   泣き顔の女の子は誰? たくさんの悲しみを見つめて
   知っているんだね 人生は追い立てられることばかりだと
   でも そんな顔をしてちゃいけないよ


Melody Fair, won't you comb your hair?
You can be beautiful too
Melody Fair, remember you're only a woman
 
Melody Fair, remember you're only a gir


   素敵なメロディ、髪をとかしてごらん 綺麗になれるから
   素敵なメロディ、忘れないで 君は立派なひとりの女性なんだよ
   忘れないで 君という子はこの世にひとりしかいないということを


Who is the girl at the window pane 
watching the rain falling down?
Melody, life isn't like the rain
It's just like a merry go round



   窓辺にたたずむ女の子は誰? 雨の落ちるのを見つめて
   メロディ、人生は雨みたいに落ちるばかりのものじゃない
   メリー=ゴー=ラウンドのように巡るものなんだ


signは「しるし」「徴候」。ここでは何か悲しい物事の「気配」か。
lineは顔の「しわ」(=wrinkle)であろうと思われる。
ここと次の行のonly以下を直訳すると「ひとりの女性でしかない」とか「ほんの少女だ」となって意味をなさないので、上のようにした。
paneは「窓ガラス」とか「窓枠」。a pane of glassで「1枚の窓ガラス」。



2018年度北海道公立高校入試理科

北海道公立高校入試の理科に出題ミスがあった可能性がある,との記事が2018年3月10日付『北海道新聞』にありました。件の問題は実験結果(といっても机上の計算で作ったもののはずですが)に不備があり,2通りの解答が考えられるというものです。これらについて書いておきたいと思います。理科の大問[5]です。

2018北海道理科5-1
 (道教委HPより)

この「実験1」に関する問1の(2)はこうなっています:
(2) 物体Aの体積は何 cm3 か,求めなさい。 

 「表」を見ますと,「液面から物体Aの下の面までの距離」が 3 cm になったところで「ばねばかりの示す値」が水槽 X,Y のいずれにおいても一定になっています。これは物体Aにはたらく浮力が一定になったからで,上の「距離」が 3 cm になった時点で物体Aの全体が水中に入ったことを意味します。すなわち,物体Aの高さは 3 cm です。実験の冒頭に「立方体」とありますので,物体Aは 1 辺が 3 cm の立方体ということになります。したがって,求める体積は 3 × 3 × 3 = 27 〔 cm3 〕 となりそうです(これが公表された正解)。この問題は頻出問題で,多くの受験生はこのように解いたと思います。

ところが,「アルキメデスの原理」によって浮力から計算すると 27 cm3 にはならない,というのが「出題ミスでは」という指摘の中心です。

アルキメデスの原理:
液体の中で静止している物体にはたらく浮力の大きさは,それが押しのけた体積分の液体の重さに等しい

 (本来,液体中でも気体中でも成り立つ原理ですが,ここでは問題に合わせて液体としました)

バネばかりを使って物体Aにはたらく重力(=重さ)を空気中ではかると 0.80 N ,全部水中に沈めてはかると 0.50 N です。水中では水からの浮力がはたらくのでバネが物体を引く力は空気中よりも小さくていい(楽ができる)わけです。つまり,浮力の大きさは両者の差で 0.80 - 0.50 = 0.30 〔N〕 。 ここでアルキメデスの原理を用いると,物体Aと同体積の水の重さも 0.30 N となります。

さて…

問題文には書かれていませんが, 水の密度は 1 g/cm3 とする…① ことが多い。厳密には温度によって体積が変わり 4 ℃ 付近で最大になるのですが,それは考えない。といいますか,出題者のほうで問題文に「水の密度は 1 g/cm3 とする」と断っておくのが普通です(でないと安心して解答できませんね)。それでも水の密度が 1 g/cm3 であるのは常識といえますし,そう記憶している人が多いでしょう。あとは質量がわかれば体積を求められます。

では質量は?…

これまた問題文には書かれていませんが, 質量 100 g の物体にはたらく重力を 1 N とする…② ことが多い。やや厳密には有効数字 2 桁で 0.98 N ですが,本質的に 1 N とみなして構わない場合が多く,中学理科では普通そうします。でも,出題者のほうで問題文に「質量 100 g の物体にはたらく重力を 1 N とする」と断っておくのが普通です(でないと…以下同じ)。ということで,物体Aと同体積の水の重さ(=重力の大きさ)が 0.30 N ですから,その質量は 100 g × 0.30 = 30 g となります。

以上から,

物体Aの体積 = 物体Aが押しのけた水の体積 = 水の質量 ÷ 水の密度
= 30 〔 g 〕 ÷ 1 〔 g/cm3 〕 = 30 〔 cm3

となってしまうわけです。

アルキメデスの原理を知っている生徒なら,それを使って「確かめ算」を試みるのは自然なことです。問題文に水の密度や重力の大きさの断りがないので,常識的に上の①,②を仮定して計算したでしょう。すると違う結果が出てしまう。混乱したはずです。この確かめ算を試みるくらいの生徒なら理科は満点近く取れるでしょうから心配は無かったと思いますが,同情を禁じ得ません。

ここで新しい疑問が湧いてしまいます。出題者は自分で解いてみなかったのか?検討者は何を検討したのか?

入試問題を作るくらいだから実力のある教師のはず。大問を設計するにあたり,実験内容に矛盾がないよう注意するのはもちろんですが,自分が立てた問に対する解を自分で考え,別解があれば用意するのが当たり前です。そして,同じ問1の(3)はアルキメデスの原理をモロに使う問ですから,ここでも別解として使ってみるのが自然だと思うのですが。

なお,いまさら代案ではありませんが,物体Aを「立方体」ではなく「直方体」とし,問1(2)では「体積」ではなく「高さ」を問うだけであったら,「 3 cm 」で何ら不都合はなかったでしょう。体積が 30 cm3 なので底面積が 10 cm2 となり,矛盾は生じません。

さて,アルキメデスの原理に関しては続きがあります。ここまで長かったので一休みしましょう。よろしければ続きをご覧ください。


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