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神谷塾的勉強と受験と子どもの教育
札幌で学習塾を営む神谷が、日々生徒と接しながら考えたことをつづります。  おすすめの勉強法や高校・大学受験、教育全般に関する話題を書いていきます。  ★コメントには必ずお返事します★

プロフィール

神谷英樹

Author:神谷英樹
1962年、愛知県知多郡に生まれる。
1981年、愛知県立半田高校を卒業。
1983年、予定外の2年の浪人生活を終えて北海道大学に入学。
1988年、北海道大学理学部地球物理学科を卒業、地質コンサルタント会社に入社。浦和市(当時)にあった研究所に勤務。
1995年、どうしても北海道に戻りたくなってその会社を退職。札幌市内の学習塾で講師の職を得る。
2001年、独立開業。屋号を神谷塾とする。
家族は妻と大型犬1頭。息子2人は東京在住。趣味は物理と化学と野球とギターとベース。



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分解者は消費者でもある

中3理科「生物界のつながり」で、「分解者」というグループの意味が2012年度から変更されています。

従来は生物を「生産者」(=植物や藻類・植物プランクトン)、「消費者」(=動物)、「分解者」(=菌類・細菌類)と分けていました。これが今年度からは、まず大きな括りは「生産者」「消費者」の2つとし、「消費者」の中に「分解者」を置くことになっています。

「生産者」は光合成などをして無機物から有機物を作り出すことのできるもの。これは従来どおりですが、「消費者」は自分で栄養分をつくらず他の生物やその遺骸などを食べるか分解するかして生活するもの、つまり<生産者以外のすべて>ということになりました。

そして「消費者」の中に、もっぱら生物の遺骸や排出物を栄養分とするサブのグループとして「分解者」を置きます。「遺骸や排出物」とは?--動物の場合はすぐにわかると思います。植物の場合、遺骸とはたとえば落ち葉とか枯れ枝を指します。

「生産者」と対になる語は「消費者」であり、「消費者」の中に「分解者」がある。したがって「分解者」は「消費者」でもあることになったのです。生産しないのであれば消費のみするわけですから、まあ「すっきりした」とも言えるわけですが、実際はそう簡単ではありません。注意しておきたい点を2つ挙げておきます。

[1] 菌類・細菌類

菌類はカビ・キノコの仲間で、細菌類は酵母菌・枯草菌・乳酸菌など。これらは従来は「分解者」でした。遺骸・排出物も、そうでないものも(生きている動植物に取り付いたりもしますからね…)、最終的に二酸化炭素・水・種々の窒素化合物といった無機物に変えてしまうので文句なく「分解者」ですが、今年からは「消費者」でもあることになりました。繰り返しになりますが、栄養分を生産してはいないからです。

[2] 土中などにいる小動物

<草食系>では落ち葉を食べるミミズやダンゴムシ、トビムシ、草食のダニなど。<肉食系>ではトビムシや草食のダニを食べるカニムシや肉食のダニ、動物の遺骸を食べるシデムシ、動物の糞を食べるコガネムシの仲間、さらに自分より小型の小動物はみな食べるクモやムカデなど。これらは従来は「消費者」でしかありませんでした。エサはいちおう有機物であり、排出する糞も有機物ですから<最終的に無機物だけにする>ことはできないのですが、今年からは「分解者」の肩書きも持つことになりました。“本来”ゴミであったはずのものを積極的により細かいもの(糞)に形を変え、菌類・細菌類の処理につなげるから「分解」の役割を果たしている、と考えればいいでしょう。これら小動物がいなくては自然界が死体だらけ・落ち葉だらけになってしまうのですからね。

この点を修正できていない参考書・問題集・塾教材も多いと思いますので、現中3の人は気をつけましょう。・・・いや、初めて学習する中3の人よりも、実は<分解者=菌類・細菌類>と思ってずっとやってきた教師のほうこそ、言い間違えをしないようにしばらく努力を要するところかも知れません。


モノグリセリドとグリセリン

(2012.4.12記)
今年、中学校では新指導要領に従って教科書が改訂されました。その中で、中2生物分野の「消化と吸収」のところで、従来
「脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解される」
とあったのが、
「脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解される」
と変更になっています。昨年までの教科書から変わった部分は多々ありますが、ここは最も重大な変更点のひとつでしょう。

「モノグリセリド」は「グリセリン」を別の言い方にしたものではなく、別の物質です。従来は「グリセリン」で正しいとされてきましたが、最近の研究により「グリセリン」でなく「モノグリセリド」が適切であるとわかったそうなのです。詳しいことはこれから書きますが、最新の研究の成果が中学生の教科書にも反映してしまうところが生物科はすごいなと思うのであります。

デンプンやタンパク質が分解されてできる「ブドウ糖」や「アミノ酸」の名は生活の中で目/耳にすることがありますが、「モノグリセリド」はまずありません。どうしてまたそんなものものしい名前がついたのか?グリセリンとはどう違うのか?と気になる人も多いでしょう。それが自然だと思いますし、それでこそ理科です。実は、先ほどの「最新の研究の成果」の内容と「モノグリセリド」という妙ちきりんな名前の由来とは深い関係があります。高校化学の領域に少し踏み込みますが、できるだけ易しく書くようトライしてみましょう。

まず、化学で物質名を付けるときによく使われる「モノ( mono )・ジ( di )・トリ( tri )」という言葉を押さえてください。それぞれは順に「1・2・3」を意味し、同じまたは同種の原子とか原子の集まりが何個くっついているかを表します。モノ・ジ・トリが付いている語句は理科関係に限らず身近に結構あります。それぞれの用例はこの記事の末尾に書いておきました。

では本題--

脂肪酸など

脂肪と呼ばれる物質はグリセリン脂肪酸が3つ結合した形をしています。グリセリンというのはアルコールの1種、脂肪酸というのはパルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸などといった、常温で固体とか液体のアブラに含まれている酸の総称です。グリセリン脂肪酸が結合したものはグリセリドと呼ばれ、結合する脂肪酸の数が3個であればトリグリセリドとなります。結合する脂肪酸は3つとも同じでも違っていてもいいので、トリグリセリドつまり脂肪にはたくさんの種類があることになります。

脂肪=トリグリセリドは膵(すい)液に含まれる消化酵素リパーゼによって分解されます。動物の体内ではたらくリパーゼには2種類あって、1つはトリグリセリドから脂肪酸を1つはずします。この場合、はずれる脂肪酸は両側のどちらかで、中央のやつには作用しない(しにくい)ようです。脂肪酸が1つはずれたら、グリセリンに結合している脂肪酸は2個になりますから、グリセリドです。

さらに、もうひとつのリパーゼがグリセリドから脂肪酸をまた1つはずします。はずれるのはさっきはずれたやつの反対側で、中央のやつはやはりそのまま。グリセリンに結合している脂肪酸は1個になりました。これがモノグリセリドです。

従来は、さらにもうひとつのリパーゼがモノグリセリドから最後の脂肪酸をはずし、めでたくグリセリンのできあがり…と考えられていました。トリグリセリドからはずれた「3つの脂肪酸グリセリン」が小腸の柔毛の壁を通過すると、すぐ脂肪に再合成されて(せっかく分解したのに…)リンパ管に取り込まれる、ということでした。ところが最近の研究の結果、どうやら分解は「2つの脂肪酸モノグリセリド」までで終わり、最後の脂肪酸がはずれる前に柔毛の壁を通過してしまうらしい。それから柔毛の中で再合成されるということです。

ところで、今回の変更は新中2からが対象。新中3の人は旧教科書に「グリセリン」とありましたし、昨年度までの移行措置内容にもありませんでしたから、テストや高校入試で問われた場合「グリセリン」と答えても心配は要らないはずです。もちろん「モノグリセリド」と答えても全く正しいわけですからやはり心配は要りません。まあ、この件は採点基準がビミョーになるので当分出題されないと思われますが、いかがでしょうか。

なお、この記事を書くにあたり、「新理科教育ML」で質問して教えていただいたことや、啓林館のHPでの記載を参考にしました。 ありがとうございました。

【モノ(mono)の用例】
モノカルチャー(monoculture)は単一経済、モノレール(monorail)は線路が1本、モノクローム(monochrome)は白黒単色、モノラル(monaural)はステレオでない単一の音、モノトーン(monotone)は一本調子、モノローグ(monologue)は独白または独り芝居。

【ジ(di)の用例】
ダイオード(diode)は端子2本の電子素子、ジレンマ(dilemma)は二者の間で板挟みになること、ダイアローグ(dialogue)は対話。

【トリ(tri)の用例】
トライアングル(triangle)は三角形、トリオ(trio)は三人組または三重奏、野球のトリプル(triple)プレーは三重殺。


低温やけど

今年の正月は珍しく帰省しないことにしました。それでも「非日常」が欲しいといいますか、札幌を少し“脱出”しようということで、層雲峡温泉に一泊してきたのです。往復の運転で疲れ果てて帰ってきた夜、家の中があまりに寒いので布団に湯タンポを入れて寝ることにしました。温まった布団でぐっすり眠り、快適な目覚めをするはずでしたが、まだ外はしっかり暗いうちに痛みで目が覚めました。そのときにはすでに手遅れ。寝相が悪くてはだけた足許に湯タンポが当たっていたのでしょう、左脚の脛のところに親指大の水ぶくれができていました。

湯タンポは布で包んでありましたが、布の上からでも「うわー温かい」と感動するくらいの温度でしたから、皮膚に長時間当てていればやけどにもなろうというものです。ただ、これまでも湯タンポは使っていましたし、やけどをしたことなどなかったものですから、全くの無防備といいますか何も考えていませんでした(笑)。今思えば、布団が温まった時点で湯タンポを外に出しておけばよかったのです。

やけどで水ぶくれを作ったことはこれまでにもありましたので、焼いた針で小穴を開けて中の液体を出し--そこで医者にかかればよかったのでしょうが--表面のやけどでそうしているように、ワセリンを塗ってラップでくるんでそのまま生活していました。そうしたら、治らないうえに雑菌が入って化膿。

こうなると、あとは抗生物質入りの薬を塗りつつ通気のよい絆創膏で覆って組織の再生を待つしかないようです(薬屋の薬剤師さんの話)。で、やけどをしたのが1月4日なのですが、2月8日現在まだ治りません。そこにはカサブタ様のものができてはいますし、ときどき(回復の兆しか)痒いのですが、あまり進展はありません。まあ、周囲にも内部にも痛みはなく、生活や仕事に不自由はないので、気長に治癒を待とうと思います。

さて、折しも1月25日付の『北海道新聞』に「低温やけど気をつけて」という記事が出ていましたので興味深く読んだらびっくり。治癒には1か月から2か月もかかるし、「ダメージが筋肉にまで及べば、最悪の場合、脚を切断せざるを得なくなることもある」のだそうです。これはタイヘンだ。非常にやばかった。

記事によりますと、やけどの程度は <接触時間×温度> で決まるそうです(「温度」とは「体温との温度差」でしょうか)。皮膚が赤くなる程度の「1度」、皮膚に水ぶくれができる「浅達性2度」、皮膚表面の下にある真皮組織までダメージが及ぶ「深達性2度」、その下の脂肪や筋肉にまで達する「3度」に分けられますが、低温やけどはたいてい3度まで進んでしまっていることが多い。治癒に時間がかかるうえ、深達性2度以上では治っても痕が残るそうです。(私がそうでしたが)ちょっとしたやけどと思って素人考えで放置せず、早めに形成外科か、なければ皮膚科か外科を早めに受診したほうが良いとのこと。また、低温やけどは湯タンポばかりでなく、 使い捨てカイロを皮膚に直貼りしたり、ファンヒーターの前で眠ってしまったり しても起きるとのこと。

ところで、熱い金属に触れたときなどにももちろんやけどをしますが、温度が高い一方接触時間が短いので <接触時間×温度> の値は小さく、ダメージは表面的なもので済むことが多い。それは中2理科で学習する 反射 のおかげです。「熱いぜ」という信号が脳に届いてから「では離れよ」という命令を出していたのでは手遅れになるので、足なら腰のあたりでしょうか、脊髄が「離れよ」という命令を出します。あとで脳にも信号が届いて「熱い」という感覚は生じますが、そのときにはもう身体は離れていてほぼ無事です。低温やけどの場合は、その温度は少しの時間ならむしろ快適なのですから、反射が起こりようもありません。ぐっすり眠ってしまえばそのままアウトであります。

なお、「水ぶくれ」(水疱)について Wikipedia で調べてみたところ、内容物は「血清、フィブリン、細胞成分など」であるそうです。血清とは血液が凝固して上澄みにできる淡黄色の液体成分で、血液の液体成分(血漿)そのものではないが、それに近いもの。フィブリンとは血液の凝固に関わる繊維状のタンパク質で、血小板とともに血球をくるみこんで血餅(けっぺい)となって止血のはたらきをします。私が今回つくったやつは、「弛緩性水疱」と呼ばれる、水疱膜が薄くすぐ破れるタイプでした。これは表皮内など浅いところに出現するそうですので、やけどの深さもそのくらいでしょうか。それにしても治らないなあ。

まだまだ寒い日が続きます。皆様どうぞご注意を。




フキノトウ

札幌に遅い春が来ました。私の自宅の周辺(標高80mくらい)ではあちこちにフキノトウが顔を出しています。すでにニョキニョキと育っているのもあります。しばらくすると、あたり一面がフキのジャングルになります。



Wikipediaからちょっと抜粋・拝借しますと…

フキ
 キク科フキ属の多年草。
 日本原産で、北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布している。北は樺太から、朝鮮半島・中国でも見られる。山では沢や斜面、河川の中洲や川岸、林の際などで多く見られる。郊外でも河川の土手や用水路の周辺に見られ、水が豊富で風があまり強くない土地を好み繁殖する。近縁種は旧世界に広く分布し、ハーブとして利用される。また、幻覚作用の報告されている種もある。
 北海道・足寄町の螺湾川(らわんがわ)に沿って自生するラワンブキは高さ2~3mに達し、北海道遺産に指定されている。かつては高さ4mに及ぶものもあり、馬に乗ったままその下をくぐることもできたという。
 茎は地上には伸びず、地中で地下茎(生姜やアヤメのような根塊)となり横に伸びる。地下茎が地表に剥き出しになると光合成のため緑色に変色する。このため、ワサビと間違われて誤食される例があるが、地下茎は有毒のため注意が必要である。
 早春、葉の伸出より先に花茎が伸び出す。これを蕗の薹(フキノトウ)とよんでいる。雌雄異花であり、雌花は受粉後、花茎を伸ばしタンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばす。開花時の草丈は5~10cmだが、結実時の草丈は80cmになるものもある。
(引用ここまで)

テンプラにするとイケルと聞きますが、うちの近所に生えているやつは何がふりかかっているか知れたものではないので、食べようと思ったことはありません(笑)


『もやしもん』

石川雅之『もやしもん』1~8巻(講談社)をやっと読みました。漫画全般は映画と同等以上に好きですし、この作品の存在を知ってからずっと気になっていたのに、今になってようやく、です。古本屋で見つけたら買って読むんだ~と呑気に構えていたら、全然ないんですよね。持ってる人は手放さないということでしょうか。

moyasimon7

ある日やっと1巻を見つけて買って読んだら、これが大層面白かった。物語も面白いんですが、菌類について俄然興味が湧き、のめり込みました。欄外の注が充実していて、それをきっちり読もうとするものだから1冊読むのにすごく時間がかかります(笑)

続けて妻がやはり古本屋で2・3巻を見つけて購入してきましたが、それきり見つかりません。ならば、とネット書店で探したら安いのがちゃんとあり、送料と合わせても古本屋に足を運ぶのとそんなに変わらない値段で4~8巻も手に入りました。早くそうすればよかった。(アホだな~)

読んでいて飽きないのは登場人物たちがいいからというのもあるでしょうね(※1)。舞台となっている某農大には可愛い女子学生も、昔はよくいたお馬鹿な男子学生も大勢いて、何やら懐かしささえ覚えます。その一方で菌類や発酵・醸造に関する深~い語り。農学に向けられる教授や学生の真摯な姿勢とパワーには圧倒されます。

この本の影響で、農学部とか農大というのもいいな~と思い始めているこのごろです。ここに描かれている素朴で充実した大学の様子というものを見てもらうのもいいだろうと思いまして、自宅用とは別に塾の書棚にワンセット置くことにしました(※2)。これもネット書店でまとめ買いしたものです。物語のかなりの部分がサケ関係なのが小中高生にはちょっとアレかなとも思いますが、学問とは例えばこんなあり方をするんだという見方をしてもらえればいい。それよりも何よりも、物語が面白いだけでも十分に価値はあります。

※1 私は樹(いつき)教授の語りがとても好きですし、学生を導くというのはこういうことなのかと納得させられることも多い。ですが、それ以上に1年生の及川がダントツに好きですね~(笑)

※2 以前には三田紀房『ドラゴン桜』全21巻を、やはり自宅用のほかに塾にも置きました。