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神谷塾的勉強と受験と子どもの教育
札幌で学習塾を営む神谷が、日々生徒と接しながら考えたことをつづります。  おすすめの勉強法や高校・大学受験、教育全般に関する話題を書いていきます。  ★コメントには必ずお返事します★

プロフィール

神谷英樹

Author:神谷英樹
1962年、愛知県知多郡に生まれる。
1981年、愛知県立半田高校を卒業。
1983年、予定外の2年の浪人生活を終えて北海道大学に入学。
1988年、北海道大学理学部地球物理学科を卒業、地質コンサルタント会社に入社。浦和市(当時)にあった研究所に勤務。
1995年、どうしても北海道に戻りたくなってその会社を退職。札幌市内の学習塾で講師の職を得る。
2001年、独立開業。屋号を神谷塾とする。
家族は妻と大型犬1頭。息子2人は東京在住。趣味は物理と化学と野球とギターとベース。



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北海道公立高受験作法(3) 数学の「記述式」 その3

数学の「記述式」の3つめは平面図形の合同または相似の証明。2019年入試では大問4の問2です。問題はこちらをご覧になってください。正答例はこうなっています。

(正答例)
△ABFと△ADEにおいて, ★1
仮定より,AB=AD ……① ★2
①より,△ABDは二等辺三角形なので, ★3
∠ABF=∠ADE ……② 
また,∠AGB=∠GAD=90°であり, ★4
∠BAF=90°-∠EAF,∠DAE=90°-∠EAF ……③
よって,∠BAF=∠DAE ……④
①,②,④より,一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので, ★5
△ABF≡△ADE


配点は(相場としては多めの)5点。②,③,④が導かれていれば中間点各1点となっています。最後まで書けば5点取れます。

まず,2つの三角形を“宣言”(★1)。この行は書かなくても構いませんが,書いておいたほうが仕事がしやすいでしょう。対応する三角形の頂点が順に示されているので,これをなぞれば対応する角や辺が確認できるからです。たとえば本問では∠BAFに対応する(等しい)角は,頂点の対応から自動的に∠DAEとなります。

合同条件の1つめは問題文に書かれていることですので,ただ「AB=AD」と書くだけでも良いですが,「仮定より」と断っておくと収まりが良いでしょう(★2)。一方,①から②を導くときは二等辺三角形の性質(定理)を使っているので,「仮定より」ではなく,根拠を示す必要があります(★3)。「二等辺三角形の底角は等しいので」のほうが良いかも。

★4については,正答例ではサラッと済ませていますが,大問の仮定であるAD∥BC(錯角が等しいこと)と問2の仮定であるAG⊥BC,そして大問2行目の仮定である∠BAE=90°を使っていますので,後に示すようにきちんと書くべきでしょう。③と④はまとめて「∠BAF=90°-∠EAF=∠DAE」としてもよろしい。

使用した合同条件(★5)は,①②④を示してさえあれば十分ですので,書かなくても構いませんが,書くのであれば間違えないように。

以上のように手を入れ,適度に簡略化しますと,正答例は次のようになります。

△ABFと△ADEにおいて,
仮定より,AB=AD ……①
二等辺三角形の底角は等しいので,∠ABF=∠ADE ……② 
AG⊥BC,AD∥BCより,∠AGB=∠GAD=90°
また仮定より,∠BAE=90°
よって,∠BAF=90°-∠EAF=∠DAE ……③
①,②,③より,△ABF≡△ADE


最初の条件2つはたいてい易しく,これを書いておくだけで中間点1~2点となるので,最後まで書けないからといって空欄にしておく手はありません。わかったところまで書いておきましょう。関数の問3と同様,地道に稼ぐべきです。そして,合同条件の3つめが導けないときは,潔くそこでやめて,次の問題に行きましょう

やってはいけないのが,以下に説明する“キセル答案”です。

(キセル答案の例)
△ABFと△ADEにおいて,
仮定より,AB=AD ……①
二等辺三角形の底角は等しいので,∠ABF=∠ADE ……② 
また, ********** ∠BAF=∠DAE ……③
①,②,③より,一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
△ABF≡△ADE


**********の部分にあるべき根拠が欠落しているので,②までが中間点の対象となり,本問では1点となります。

条件の3つめが「∠BAF=∠DAE」だということは見当がつくのだけれど導き方がわからない,というとき,上のように根拠なく「∠BAF=∠DAE」だけ書いても得点になりません。続けて「使用するはずの」合同条件と結論を書いてもやはり得点になりません。英作文で単語や熟語が出てこなくてそこだけ日本語を書いても見てもらえないのと似ていて,それを書いても報われないのです。

あるいは,苦し紛れに**********の部分に意味の通らないことを書いても,採点者の心証を悪くするだけです。自分でも納得が行かないことを他人がわかるはずがありませんね。それを書いている時間に他の問題に行くとか,解けたはずの問題の見直しをしたほうがよほど実りがあります。たとえば(本問は違いますが)合同の証明が問1,その合同を使う角度の問題が問2であったとして,問1が書けていなくとも問2を正解できる場合が多々あるのです。



北海道公立高受験作法(2) 数学の「記述式」 その2

数学の「記述式」の2つめは関数の問3。例年 2次関数(2乗比例関数)が出題され,問1と問2は点の座標や比例定数,yの変域,yの増加量などを求める基本問題で各3点。問3は座標平面上の図形の面積を求めたり,図形の面積から比例定数を求めたりする応用問題で4点満点です。問3だけは答(結論)だけでなく途中の計算(導出の過程)も書くようになっています。

道コンではおおむね中2の1月からこの形式の出題があります(関数は1次関数とか反比例ですが)。それまでは答だけで良かったのに,途中の計算も書けという。連立方程式の「計算」のように型が決まっているわけではなく,何をどういう順序でどこまで書けばいいのかわからない。それでなかなか書けるようにならない…とお嘆きの受験生が多いはずです。

そこで今回はその手ほどきをしましょう。道コンでは中2の8月までは正解かどうかで3点か0点(中間点なし)ですが,この形式になると中間点を1点でも2点でも稼ぐことができるようになります。「より実力を反映させられるようになる」と前向きに捉えましょう。

まず,解答欄のどこかに必要な座標とか方程式が書かれていればあまり心配は要らないと思ってください。「きちんと書かないと見てもらえない」などと身構えなくていいのです。採点する高校数学の先生は「そこで何を計算しているか」ぐらいは“解読”してくれますからね。ただし,前回書いたように「採点する人の身になって書く」のが大切。何を t と置いたのか,何を計算するのか,なぜそうするのか,書けることは書いたほうが“解読”の助けになるのはもちろんです。

2019年入試の正答例はこうなっています。問題の内容はこちらを見ていただくことにして,問3の設問だけ書きますと,
「点Aの x 座標を t とします。△ABCが直角二等辺三角形になるとき, t の値を求めなさい」

(計算)
A( t,(1/3)t2 ) だから, B( t,t2 ),C ( -t,(1/3)t2 ) ★1
ABの長さは (2/3)t2 ……①, ACの長さは 2t ……② ★2
AB=ACより, (2/3)t2=2t ★3
t(t-3)=0 ★4
t>0より, t=3 ★5
(答)
t=3


まず必要な3つの点A,B,Cの座標を書きます(★1)。先ほど「型が決まっているわけではなく」と書きましたが,冒頭部分には「型」があるといってよさそう。点Aの x 座標が t と与えられていますので,ほぼ,これを関数の式に代入するだけ。A(○,△)と書けば「点Aの座標は(○,△)である」という意味(約束)ですので,「点Aの座標は」と断る必要はありません。また,「だから」はなくても構わないでしょう。できるだけ簡略に,必要な点の座標を書いておくだけでOK。計算の必要があればそれば問題用紙に書くか暗算で済ませて,結果を書いておけばOK。本問では該当しませんが,問題によってはここで早くも中間点1点を取れます。

本問の△ABCで直角になり得るのは∠Aだけなので,直角二等辺三角形になるのはAB=ACの場合に限られます。このことは記述しておいたほうがいいでしょう。その上で辺AB,辺ACの長さを求めます(★2)。正答例で「ABの長さは」と書かれている部分は「AB=」でよろしい。その代わり,結果だけではなく「途中式」を書いたほうがいいでしょう。本問ではここで中間点1点×2です。

“役者”が揃ったら方程式を立てます(★3)。本問ではここで中間点1点。正答例では一気に整理して★4としていますが,方程式を解く過程をここに書いてもいいでしょう。また,この方程式には解が2つあるので,それは両方書いておいて,最後に★5のように「解の吟味」をするほうがいいでしょう。

以上のように手を入れますと,正答例は次のようになります。

(計算)
A( t,(1/3)t2 ) ,B( t,t2 ) ,C( -t,(1/3)t2 )
△ABCが直角二等辺三角形になるのはAB=ACのときである。
AB = t2-(1/3)t2 = (2/3)t2
AC = t-(-t) = 2t
AB=ACより, (2/3)t2=2t
   t(t-3)=0
   t=0,t=3
t>0より, t=3
(答)
t=3


正答例よりも長くなりましたが,この程度には丁寧に書いたほうがむしろ書きやすいのではないかと思います。2行目に日本語文が入りましたが,条件を明らかにしておくことは大切ですので,惜しげもなく日本語を書いてください。一方,他の部分ではほとんど記号と数式だけで行けるはずです。

このぐらいなら書けそうだという気になりませんか。実際そんなに難しいことではないはずですが,それでも道コンの時だけやろうとしてもうまくいきません。日頃からこのぐらいの「記述」をしながら答を出す習慣を身につけておく必要があります。そして,高校数学の関数の問題になれば導出の過程は全部書くのが普通です。やがて始まる高校数学に備えて,高校受験を利用して記述力をつけておきましょう。



北海道公立高受験作法(1) 数学の「記述式」 その1

北海道公立高入試の数学では答のほか答を導くまでの筋を記述する問題があります。これらの問題への対処のしかたについて,何回かに分けて書いてみたいと思います。

数学の記述問題は,例年,

[1] 連立方程式を解く過程。計算のしかたを書く。
[2] 関数の問3。直線で囲まれた図形の面積や関数の比例定数を求めたりする。
[3] 図形の相似または合同の証明。
[4] 裁量問題に1問。ありがちなのは立体の体積の計算とか。


というラインナップになっていて,標準問題校では[1]~[3],裁量問題校では[1]~[4]が課されます。

高校入試の話題ではありますが,高校入試対策は高校での学習の準備という側面もあり,数学の記述対策はまさにこれです。高校の試験も大学入試も数学は記述式が普通だからです。高校数学をやっていくための準備としても,高校入試数学の記述にきちんと対応できるようにしておくといいでしょう。

道コンでは,[1]連立方程式は中2の8月から,[2]関数と[3]図形はおおむね中2の1月から出題されます。道コンが近づいたらその準備をしながら数学の記述というものに慣れ,入試本番を迎えるころには万全になっている…といいですね。

重要なのは「採点する人の身になって書く」ということです。読み易い字を書くのはもちろんですが,採点者(高校の先生)が安心してマルを付けられるような答を目指しましょう。国語や英語についてもこれは言えます。

さて,今日はまず[1]連立方程式について。2019年度入試の正答例はこうなっています。

(方程式)
x+y=-2
x-y =-10
(計算)
x+y=-2 ……① ★1
x-y =-10 ……② ★1
①+②から 2x=-12, x=-6 ……③ ★2
③を①に代入して, y=4
(答) x=-6, y=4


配点は全部で4点。方程式が完全に書けていれば2点,計算でx,yの一方が出ていればさらに1点,最後まで解けていれば満点,となっています。このぐらい簡単だと暗算で答が出てしまうという人も「計算」を書かなくては得点できません。

連立方程式の「計算」欄には,いつもやっているような(中2で指導されるような)計算を書いておけばいいでしょう。ただし,入試は時間との戦いでもあります。ここであまり時間をかけたくありません。そこで「手を抜く」というと聞こえは悪いのですが,できるだけ簡略に済ませましょう。

まず,方程式2つに番号①②を付ける作業(★1)は「方程式」の解答欄でやってしまって構いません。つまり「計算」欄に同じ式を改めて書く必要はなく,「計算」は★2から書き始めればよろしい。また,「①+②から」は「①+②」でわかりますし,「③を①に代入して」も「③を①に代入」でわかります。それよりも<代入した式>を書いたほうがいい。すると,上の正答例はこうなります:

(方程式)
x+y=-2 ……①
x-y =-10 ……②
(計算)
①+② 2x=-12, x=-6 ……③  ★3
③を①に代入 -6+y=-2, y=4  ★4
(答) x=-6, y=4


ぐっと簡略かつ安全になりました。

ところで,★3★4のようにある式から次の式が導かれる場合は,数学の作法としては

①+② 2x=-12
     x=-6 ……③
③を①に代入 -6+y=-2
         y=4


のように改行するのが普通です。スペースの都合で横に並べるのであれば,

①+② 2x=-12, ゆえに x=-6 ……③
③を①に代入 -6+y=-2, ゆえに y=4


のように「ゆえに」などの接続詞か,「ゆえに」を意味する記号「∴」を使うのが正しい。数学のひとつの式はひとつの文に相当するものだからです。

そう堅いことを言うなよ…という声が聞こえてきそうですが,採点するのは高校数学の先生であることをお忘れなく。高校数学では,というより大学入試数学の指導では,この「堅いこと」を重視しなくてはならない場面が多い。それを日常的にやっている高校数学の先生が,中学数学の採点だからといって自らのスタンダードを易々と曲げられるとは思えません。

いや,答案の中には「行き届かない」ものが多すぎて,スタンダードを曲げざるを得ないのが採点の現場なのでしょう。でも,そういう「行き届かない」答案が多い中にあって,数学の作法にきちんと則ったものは必ずやキラリと輝いているはずです。だからといって得点が増えるわけではないけれど,採点する先生がその生徒の答案に関しては気分よく仕事をしてくれるのは間違いありません。



1平方メートルは何平方センチメートル?

中学生の数学や理科を教えているとしばしば悩まされるのが、この話です。

   1 m2 = 10000 cm2 とか 1 m3 = 1000000 cm3

といった単位の換算が、ものの見事に定着していません。前者は小4、後者は小6でそれぞれ学習しますが、そのとき定着しなかったのか、したけれど忘れてしまったのか、少なからぬ中学生が全然できません。

忘れていてもいいのです。1万とか100万くらいなら憶えてもいられるでしょうが、その数値を憶えるよりは、むしろその意味を納得しておくべきで、納得できていれば忘れても必要な場面でサッと換算できます。

勉強とは習って憶えることだ、という信仰に支配されていると、1万とか100万を憶えようとし、その数値のいきさつは忘れてしまうようです。なんだかでっかい数だったような気がするが忘れたと。で、1 m = 100 cm だったから、「ま、いいか」というかんじで

   1 m2 = 100 cm2 とか 1 m3 = 100 cm3

とやって、(あたりまえですが)見事に間違う。神谷塾は基本的に個別指導なので、私は「ああ、お前もか」とココロの中でつぶやき、居ずまいなど正し、「いいか、この数値は忘れていてもいいんだけどな」とマクラを振って、一席ぶつことになります。

-- 1 m2 はタテ・ヨコ 1 m の正方形の面積。これはいいね?では 1 cm2 は?タテ・ヨコ 1 cm の正方形の面積だね。タテ・ヨコ 1 m の正方形の中にタテ・ヨコ 1 cm の正方形は何個入る?(と、ここで紙に絵を描いたり空間に指で正方形を描いたりします。) 100 個じゃないよな。もっとたくさんだ。タテに 100 個、ヨコに 100 個並ぶんだから、 100 × 100 で… そう、10000個になるね。これが 1 m2 = 10000 cm2 ということさ。

--もうちょっとあっさり言うと、 1 m = 100 cm だったから、こうなる:

   1 m2 = 1 m × 1 m = 100 cm × 100 cm = 10000 cm2

この1万という数は憶えられるなら憶えておいてもいいが、さっきまでは忘れていたわけだから、また忘れそうだ。だから憶えるなら 100 × 100 であるわけを憶えたほうがいいし、ゼロが 2 × 2 = 4 個 でもいいわけだ。

--ついでに 1 m3 は、タテ・ヨコ・高さ 1 m の立方体の体積だから、

   1 m3 = 1 m × 1 m × 1 m = 100 cm × 100 cm × 100 cm = 1000000 cm3

となる。やっぱり100万というのは憶えなくてもいい。数が大きくて憶えづらいだろう。その代わりに、100 を 3 回掛けてゼロが 6 個と憶えておくのが実用的だ。
[続きを読む]

算数教材の作成

2月16日(土)に、栗田哲也『子どもに教えたくなる算数』(講談社現代新書)を読了しました。昨年夏に買ってからなかなか読み始められないでいたのを、この金曜と土曜で。

中学入試の算数からエッセンスを抽出して、その醍醐味を味わえる内容にアレンジされています。著者は雑誌『大学への数学』などに記事を書いておられ、(その記事は高尚すぎて私の理解のレベルをはるかに超えているのですが)数学・算数の奥義を究めた、目標にしたい教師のひとりです。久しぶりに座右に置きたい本を得ました。

この本に触発されて小学算数の教材がほしくなったので、同日の夕刻、いつもの「コーチャン=フォー」ミュンヘン大橋店へドライブ、栗田氏の著作2点を購入しました。

『親と子の算数アドベンチャー 中学受験への旅立ち』(東京出版)
『中学受験総合チェック スピードアップ算数 基礎』(文一総合出版)


私は中学受験には積極的ではないけれど、入試算数のエッセンスは、伝えられるならば生徒に伝えたい。それは中学・高校での学習に必ず役に立つと思うのです。

そんなわけで、栗田氏の著作数冊を参考に、小学算数の教材開発を試みることにしました。対象は小6。ちょうどうちの長男が新小6なので、少しずつ試作しては彼で「実験」、いや、彼の協力を得て、進めていくことにしました。