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神谷塾的勉強と受験と子どもの教育
札幌で学習塾を営む神谷が、日々生徒と接しながら考えたことをつづります。  おすすめの勉強法や高校・大学受験、教育全般に関する話題を書いていきます。  ★コメントには必ずお返事します★

プロフィール

神谷英樹

Author:神谷英樹
1962年、愛知県知多郡に生まれる。
1981年、愛知県立半田高校を卒業。
1983年、予定外の2年の浪人生活を終えて北海道大学に入学。
1988年、北海道大学理学部地球物理学科を卒業、地質コンサルタント会社に入社。浦和市(当時)にあった研究所に勤務。
1995年、どうしても北海道に戻りたくなってその会社を退職。札幌市内の学習塾で講師の職を得る。
2001年、独立開業。屋号を神谷塾とする。
家族は妻と大型犬1頭。息子2人は東京在住。趣味は物理と化学と野球とギターとベース。



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東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展

東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」を道立近代美術館で見てきました。東山魁夷展は以前にも見たことがあったので,「やってるなら見ておくか」という軽い気持ちで出かけたのですが,それはそれは期待を遙かに上回る圧倒的な偉業。順路に従って見るにつれ絵の凄さへの理解が深まり,最後まで見てから初めに戻ってもう一度見ました。

「御影堂」は史料などでよく写真を見る「金堂」とは別の,「鑑真和上坐像」が安置されている建物です。東山はここの5室68面の襖と床の間面などに全長80 mを超える超大作を,1971年から1981年まで,日本や中国へのたびたびの取材を含め,足かけ11年かけて制作しました。視力を失った鑑真が見ることのなかった日本の風景と帰ることのなかった故郷・揚州やなど中国の風景を捧げることで,「鑑真の魂の安寧を祈る」ものとなっています。

70枚もあるし,襖絵なのだから,襖を並べてエイヤッと描いていったのかな?…などと浅はかなことを考えていたものですが,見当違いも甚だしいのでした。

まず,日本と中国の各地を取材旅行しています。大画伯のことですから山とか海とかであれば脳内に湧いたイメージをどんどん描いていってしまえそうに思えますが,脳内イメージには限界があるということなのか,現実の自然が想像を凌駕するということなのか,「これは」という絶景を探して実に日本中の山・海を歩き回り,中国へも3度出かけています。それ自体立派な1枚の作品であるスケッチが100点以上も生まれています。

そして,驚くべきはその計画的で緻密な仕事。下図があったことだけで私は驚いていたのですが,下図が何種類もあるのです。

①小下図 襖の配列を考慮しながら構図をまとめるもの。20分の1。
②中下図 絵の要素となる形を輪郭でとらえるもの。5分の1。
③割出図 下図を引き伸ばして再現する際の補助とするもの。ここに座標を取るための精密な線が無数に引かれています。5分の1。
④大下図 ③をもとに原寸大にしたもの。

これでようやく本制作に移るのですが,同時に

⑤試作 本制作と同じ材料で描くことによって手順や表現方法を確認するもの。5分の1。

まで描かれています。(この部分の記述には図録の解説を参考にしました)

いやはや,絵画の技術とか才能はもちろんですが,頭脳明晰で真面目で職人気質で根気があって体力もあって…と何拍子も揃っていなければとても成し得ない仕事です。東山の生涯を代表する作品群であるといわれるのも頷けるのでした。

展覧会は7月28日まで開催(月曜定休)。鑑真については井上靖の小説『天平の甍』(新潮文庫)をお勧めします。



東山魁夷展へ

8月23日(木)に、北海道立近代美術館で「東山魁夷展」を観て来ました。

東山魁夷氏といいえば白馬のいる風景が有名ですし、今回も展示はありましたが、私が強く心惹かれたのは純粋な風景画でした。特に山奥の深い森を描いたいくつかの作品の前では足が止まり、知らず知らず心は絵の中に吸い込まれていました。絵が大きいせいもあるのでしょうが、なかなかこんな感覚は味わえません。平日で空いていたので、気に入った絵の前でしばらく動かずに没入する贅沢も味わえました。

山霊
「山霊」124.4×184.0cm

上のは「山霊」という作品。木々の葉一枚一枚が緻密に描き込まれていて、信じられない奥行き。静謐な世界。見ているだけで涼しくなってくる。まるで山奥の秘湯にでもいるような気分です。

作者によるコメント--
「先年、中国の黃山に登った時に見た情景が今も心に強く残っている。山峡を蔽っていた霧が徐々に晴れていき、深い谷間の奥に一筋の滝が現われた。深山の霊気が漂っているのを感じた。この作品はその時の印象を基に、日本の峡谷の写生を参考にして描いたものである」

写実的ではあるけれども、作者の心象風景を描いたものが多いようです。下のは「静唱」という作品で、フランスはパリ南郊の公園の、晩秋の朝ということだったと思いますが、これも実際の風景とは多分に異なっているらしい。ポプラ並木の遠近や湖水に映る風景など計算しつくされた構図なのでしょう。幻想的で、夢の中の映像のようですが、ずっと見ているとリアルに見えてくるから不思議です。

静唱
「静唱」140.0×203.0cm

「静唱」の複製があればほしい、教室に飾ってみたい、と思います。ところが、複製といっても何十万円もするのですね。ひゃー。でっかいコピーでもいいのですが、そういうものはなさそうです。せめてパソコンの画面で見れればと、今は上の写真を背景にしています。

ダリ展に行って来ました

dali02.jpg


今日、道立近代美術館に行ってきました。状況としては絵を見に行くようなユトリはなかったのですが、私は美術など疎いくせにこの人の画集だけは持っているくらい好きですし、明日9月6日で終了ということなので、なんとか都合をつけて出かけました。近代美術館にはよく妻とふたりで行きますが、今回は単独行動です。

有名な「溶ける時計」やダブル・イメージの画法など、シュールレアリスムの人、という程度の認識でしたが、初期には普通の絵も描いていたというのを知って少し驚きました。まあ、修業時代からバリバリの前衛ということはないわけですね。

後期にはミケランジェロなど古典的大家のパロディを盛んにしたり、絵画のほかにも著述をし、オブジェを造り、商業デザインをし、と多芸多才、というか絶好調。また、バレエ「三角帽子」の舞台衣装なども手がけています。「三角帽子」の音楽は同じスペインの作曲家ファリャです。きっと親交があったのに違いありません。

ダリという人は、着想とか表現力も凄まじいと思いますが、ルーペで見ながらものすごく微細なものを描いたり、計算しつくされた視覚のトリックを使ったりと、絵画の技術も天才的なのだと思いました。作品を量産できるのも天才の条件なのだな、とも。

「1時間で帰る」という制限を自分で決め、慌しく見て回りましたが、楽しかった。おそらく、慌しかったのは絵の横の解説を全部読もうとするから(苦笑)で、もう少し絵そのものを無心に味わえば良かったかな…と少々悔しくもあり。